JD.comが約5億円を出資して蘇州でデジタル人民元実証実験を実施

EC大手JD.comは、金曜日に登録を開始した蘇州市の第2回目の公開抽選会で配布されるデジタル人民元用に「紅包」を準備しています。

※紅包(Hongbao):赤い袋に入った、日本で言うところのお年玉

これは中国で5回目のデジタル人民元の実証実験であり、過去2ヶ月間で4回目の試験となる。2020年に比べて今年は実証実験が加速していることから、本格展開が近いことがうかがえます。

JD.comの実証実験への参加は、民間企業が中国のデジタル人民元の実証実験に資金を提供した最初の事例となります。

蘇州政府は、JD.comによって拠出された3000万人民元(約4.9億円)の合計を含むラッキーな当選者に紅包を配布する、と公式のWeChatの発表しています。

蘇州の住民は金曜日と土曜日にJD.comまたは蘇州市のアプリを介して抽選に参加することができます。以前は、蘇州市のアプリからしか参加出来ませんでした。実際にデジタル人民元を受け取り、使用するためには、当選者は登録時に使用したJD.comまたは蘇州市政府のアプリからデジタル人民元アプリをダウンロードしなけなりません。当選者は2月10日から発表され、紅包は2月18日から26日までショッピングに使用できます。また、蘇州政府はアプリにクエリ機能を追加し、市民がデジタル通貨を利用できるオフラインの店舗を検索できるようにしました。

中国南西部の四川省の省都、成都でデジタルマネーの初の実証実験が行われています。成都での実験では5000万元が配布される予定で、他の都市が実証実験で配布している金額の2倍近くになります。

参考:成都で初のデジタル人民元実証実験は約8億円を配布

深センではすでに10月と1月に2回の実証実験を実施しています。
蘇州、深セン、西安 、および成都はホワイトリストに登録された個人だけを含む閉鎖された試験を行っています。
中国は世界の主要経済国で初めてデジタル通貨を導入した国になる可能性が高く、北京は技術面で先手を打つ優位性を持っています。現在のところ独自のデジタル通貨を導入したのはバハマとカンボジアだけです。

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