ByteDanceはTencentがWeChat上のリモートワークツールFeishuをブロックしていると非難

ByteDanceによると、Tencentはクラウドオフィスソフト「Feishu」(海外版はLark)のWeChat上で動くミニプログラムを承認していないということです。アプリ間のリンクやユーザーのアクセスをブロックすることは、競争の激しい中国のテック業界では常識となっています。

TikTokのオーナーであるByteDanceは、TencentがWeChat上のクラウドオフィススイート「Feishu」をブロックしていると非難しています。ByteDanceの副社長でFeishuを統括するXie Xin氏は、このクラウドオフィスソフトのWeChatミニプログラムは、Wechatからのフィードバックや反応がないまま、審査が滞っているとしています。FeishuはByteDanceの生産性ツールLarkの中国版で、基本的にSlackやGoogle Docsと似たような機能を組み合わせたアプリです。

「『WeChatオープンプラットフォーム』におけるWeChatの審査は、謎に包まれています。たとえ審査状況が『合格』になったとしても、WeChatは理由なく製品をブロックすることができます」とXie氏は木曜日、同社の人気ニュースプラットフォームである金里塔澳への投稿で語りました。「私たちの2つのWeChatミニプログラム、『Feishu Conference』と『Feishu』はそういった状況に陥っています。我々はTencentの絶対的な市場での地位とソーシャルメディア分野での影響力を尊重していますが、Tencentはその独占的な立場を使ってFeishuをブロックし、企業とユーザー体験に害を与えています。私たちはこの行為を認めません。」と彼女は付け加えました。

ByteDanceは、企業向けコラボレーションソフトウェアに改めて力を入れており、昨年11月にはFeishuクラウド文書専用アプリを立ち上げています。

こういった中国のテックジャイアント同士の争いは先週もありました。中国最大のスマートフォンブランドである華為技術(Huawei)は先週、Tencentと収益の分配をめぐって意見が対立し、Tencentのゲームを同社のアプリストアから削除しましたが、そこ後この論争は解決しました。

中国ではパンデミックの影響でロックダウンが起こり、在宅勤務の人が増える中、ByteDanceは、中小企業向けに3年間の無料サービスを提供しているFeishuのプロモーション活動を加速させています。ByteDanceの従業員は昨年、22億5000万件以上のメッセージを送信し、2870万件の文書を作成し、1億1700万件の閲覧数を記録したと、同社は木曜日に発表した報告書の中で述べています。

ミニプログラムをめぐる新しい論争は、FeishuとWeChatの間の最新の話題にすぎません。Feishuは昨年3月、ユーザーがWeChat上でFeishuのリンクを開くことも、Feishuの名刺を共有して同僚を招待することもできないと発言しています。
Xie氏の投稿によると、Feishuのドメイン名を使ったリンクはWeChat上では機能せず、リンクを開くには、ブラウザにコピー&ペーストする必要があります。

Tencentは、Feishu問題の前から、ユーザーがWeChatアカウントを使用して中国版TikTokのDouyinに登録することをブロックしていたことが判明していました。また、ユーザーはWeChat上でDouyinの動画を直接共有することもブロックされていました。
2社のCEOであるTencentのポニー・マー氏とByteDanceのチャン・イーミン氏は、この問題を巡って2018年にオンライン上で激論を繰り広げていました。ByteDanceは2018年6月に反競争的な行為でTencentを提訴しましたが、TecentはByteDanceを名誉毀損で告発いています。

チャン氏はTiktok/Douyinの成長を喜ぶ一方で、WeChatに 「WeChatがプラットフォーム上のDouyinをブロックし、(Tencentの)WeishiがDouyinをコピーして盗作しているにもかかわらず、Douyinの成長を止めることはできない 」と投稿しました。普段は控えめなマー氏はその後、「(あなたのコメントは)中傷だと理解しました」と発言しました。

他のテック企業の製品も、このような行為の犠牲になっています。WeChatは、AlibabaのTaobaoへのリンクをブロックすることで知られています。Tencentは、ライバルのECプラットフォーム「JD.com」の支援者です。
WeChatは通常、「ユーザーのシェアを促す外部リンク」などのコミュニティルールに違反しているという理由でアプリ内でブロックしています。過去には、配車アプリのDidi ChuxingやJDなど、テンセントの投資先企業の一部も同様の理由でブロックされたことがあります。

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