中国の人々は、ほぼすべてのものをオンラインで買い物しています。しかし、テクノロジーの急速な発展により、高齢者はいつも取り残されています。更に市場規模を拡大するために、中国はコミュニティ・共同購入セグメントに新たな機会を見出しています。
中国のコミュニティ・共同購入モデルでは、通常、指定されたコミュニティ・リーダーがおり、そのリーダーがソーシャルメディア・グループ(通常はWeChatグループ)を作り、コミュニティ内で食料品の注文を調整しています。多くの食料品は、WeChat内のミニプログラムや他のアプリを介して注文することが出来ます。商品は食料品に限らず、ペーパータオルやシャンプーなどの生活必需品も含まれます。グループでまとめて注文したものは、コミュニティリーダーが指定した場所にまとめて届けられ、コミュニティメンバーが受け取り、指定した時間にコミュニティメンバーに配達したり出来ます。
まとめて購入することで購入費用を抑えることができるため、中国の下層都市では特に人気があります。さらに、コミュニティリーダーに注文するだけという手軽さから、高齢者にも利用しやすい選択肢となっています。
今回のパンデミックは、人々がオンラインショッピングにシフトする中で、中国でのコミュニティ・共同購入モデルの拡大を促しています。iiMediaによると、中国のオンライン食料品市場は2022年までに1220億元(約1.9兆円)に達すると予想されています。
アリババ、JD.com、Pinduoduoのような中国のテックの巨人は、この流れに飛び乗り市場をめぐって争っています。
(参考:「コミュニティ・共同購入」が中国インターネット大手の次なる戦場に)
インタラクティブなECプラットフォームのPinduoduoは、生鮮食品の翌日配達を拡大するために61億ドルを調達する計画を明らかにしました。JPモルガンのアナリストによると、Pinduoduoが8月に設立したセルフピックアップサービス「Duo Duo Maicai」は、2025年までにプラットフォーム全体の15%もしくは約1兆元(15.8兆円)まで成長する可能性があると言います。
アリババもまた、パンデミックがもたらした小売不況に対抗するために、独自のコミュニティ・共同購入アプリ「Freshippo Youxuan」を立ち上げました。Rixinによると、今年10月、Freshippo Youxuanは武漢で5,000人以上のコミュニティグループのリーダーを雇用し、新鮮な農産物を一般の人々に配達しているといいます。
中国のEC大手JD.comは今週、のコミュニティ・共同購入型ECプラットフォーム「興勝選好電子商取引有限公司」に約7億ドルを投資するための優先株購入契約を締結したと発表したばかりです。
コミュニティ・共同購入モデルは、流通のレイヤーを効果的に排除し、顧客に低価格を提供できる可能性があります。しかし、これらのIT企業間の熾烈な競争は、低品質の製品や潜在的な詐欺行為につながる可能性も一方であります。一部のコミュニティリーダーは、誤解を招くような商品写真を使用することで、省の消費者詐欺法に違反している事例も出てきています。
こういった問題を解決するため、南京市市場監督局は12月9日、「ECプラットフォームのコミュニティ・共同購入における遵守事項」に関する公式通知を発表しました。同規定では、企業は不正競争の中での取引機会を控えるべきと明記されており、独占的な行為、通常の業務秩序の乱れ、国益や他の事業者の正当な利益を害する行為を禁止しています。
「中国の食料品通販は、数年前に他の分野で見たものと同様の消費者行動の構造的変化が起きていると考えている」と、Pinduoduoの陳磊最高経営責任者(CEO)は11月に行われた同社の四半期決算説明会の中で発言しています。
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